近年、スマートフォンやパソコン、SNSや動画サイトなど、様々な場所で目にする機会が増えている「サムネイル（サムネ）」。
視覚的に優れた「ユーザーを引きつけるサムネイル画像」とはどんなものか、詳しく知りたいという方も多いでしょう。本記事では、サムネイルの意味から、画像選びやサイズ確認の重要性まで、押さえておきたい作成のポイントをわかりやすく解説します。
サムネイルとは
サムネイルとは、スマートフォンやパソコン、InstagramなどのSNS、YouTubeなどの動画サイトを利用する際に表示される小さなサイズの画像です。クリックしなくても内容が一目でわかるよう、実際のサイズを縮小して表示した画像を「サムネイル」と呼んでいます。以下で、その詳細を見ていきましょう。
● サムネイルの意味
● サムネイル画像の例
サムネイルの意味
サムネイルとは、英語の「thumbnail（親指の爪）」に由来する言葉で、親指（thumb）の爪（nail）のように小さいサイズの画像を指します。オリジナルデータを開かずに内容を確認できるため、インデックスやプレビュー、見本として広く利用されています。
サムネイルは、大きな画像よりも読み込みが早く、複数のファイルを一度に表示できる便利なツールです。さらに、最近よく聞く「サムネ」という言葉は、このサムネイルの略称であり、「プロフィール」を「プロフ」と略すのと同じような使い方をされています。
サムネイル画像の例
具体的なサムネイル画像の例を挙げると、以下のようなものが含まれます。
ショッピングサイトの商品一覧画像
パソコンのフォルダ内に表示される一覧画像
YouTube動画の静止画として表示される一場面
ニュース記事に添えられた小さな画像
サムネイルの役割
サムネイルは単なる画像ではなく、以下のような役割を持っています。
● コンテンツの一覧性向上
● ユーザビリティの向上
● 実際にコンテンツを見てもらえる可能性を高める
● サムネイルとアイコンやアイキャッチの違い
コンテンツの一覧性向上
サムネイルは、Webサイト内のコンテンツを一覧表示し、ユーザーにどのような内容があるのかをわかりやすく伝える役割を持ちます。例えば、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイトでは特に必要不可欠で、サムネイルを使わないと、ユーザビリティが悪化する恐れがあります。
ユーザビリティの向上
サムネイルをカテゴリーごとに整然と表示することで、ユーザビリティが向上します。ユーザーがどこにどのような情報があるのかを瞬時に把握できるため、コンテンツをスムーズに閲覧できるようになります。このようなユーザビリティの良いWebサイトは、ユーザーにとって居心地がよく、サイト回遊率や滞在時間の増加にも寄与します。
実際にコンテンツを見てもらえる可能性を高める
魅力的なサムネイルは、ユーザーが思わずクリックし、実際にコンテンツを見に行く可能性を高めます。例えば、YouTubeなどの動画サイトでは、サムネイルのフォントや背景色、レイアウトが視聴回数に影響を与えることが研究で示されています。
出所：電気・情報関係学会九州支部連合大会
（https://www.jstage.jst.go.jp/article/jceeek/2020/0/2020_323/_pdf/-char/ja）
（https://cir.nii.ac.jp/crid/1390286981376865408）
サムネイルとアイコンやアイキャッチの違い
サムネイルとよく混同されがちなものに、アイコンやアイキャッチがあります。これらはサムネイルとは異なる意味を持つため、正しく理解することが重要です。
アイコンは、プロフィール画像やアプリのシンボルとして使われる小さな図やマークです。アイコンは、スマホやパソコン上でファイルやプログラムの内容を象徴するものとして表示されます。
一方、アイキャッチはユーザーの目を引きつける画像や映像を意味する和製英語で、SNSやWebサイトで情報を目立たせるために使われます。アイキャッチのサイズはさまざまですが、サムネイルはアイキャッチを縮小したような役割を持っています。
近年では、プロフィール画像やアイコン画像も「サムネイル」と呼ばれることが増えてきました。柔軟な対応が必要な場面も多いので、SNS上ではこれらの画像をまとめて「サムネ」と称する場合があることを覚えておきましょう。
サムネイル画像の選び方
ブログやYouTubeなどの動画サイトで、ユーザーが最初に目にするサムネイル画像選びは非常に重要です。一目で記事や動画の内容が分かるような画像を選ぶこと、また、目立ってインパクトのあるサムネイルを使用することが求められます。
サイトの雰囲気に応じて選択しますが、基本的には明るく、目に留まりやすいテキスト文字を使用し、目を引く文言を見やすい場所に配置することで、閲覧数やアクセス数を増やすことが可能です。
数多くのコンテンツの中で目立つためには、ユーザーの興味を瞬時に引く工夫が必要です。サムネイルはインデックスやプレビューとして機能することを意識し、他のコンテンツと差別化できるような画像を選びましょう。
また、テキスト文字でサムネイルを装飾することで、ユーザーの注目を集めることができます。画像だけでは伝わらない情報や視覚的な魅力を高めるため、適切なテキストを配置することは非常に効果的です。
テキストの可読性を上げるためには、背景とのコントラストを意識し、バランスよく配置することが大切です。フォントの種類やサイズ、位置にもこだわって、より魅力的なサムネイル画像を作成しましょう。
情報が溢れる現代では、動画が再生されるか、記事がクリックされるかは「サムネイル次第」とも言われています。逆に言えば、魅力的なサムネイルを作成できれば、自身のコンテンツで継続的な成果を上げられるということです。
サムネイルの作成方法を学ぶ際には、**「効果的な画像の選び方」や「テキストの配置方法」**を習得することが成功への鍵となります。
サムネイル画像のサイズ
サムネイルを作成する際、まず重要なのは最適な表示サイズを確認することです。
サムネイルはインデックスやプレビューとして機能するため、元データを圧縮して解像度を下げた小さいサイズの画像が基本です。媒体によってサムネイルのサイズは異なり、サイズが合わないと「背景やテキストが切れてしまう」ことがあります。
まず、使用するWebサイトやSNS、YouTube動画などで、サムネイルが表示されるサイズと縦横比（アスペクト比）を確認しましょう。例えば、YouTube動画の推奨サムネイルサイズは「1280×720」で、アスペクト比は「16：9」です。（※2021年10月時点）
サムネイルとして内容やテーマが分かりやすいか、デザインやテキストが見やすいか、常に細かく確認することが重要です。
サムネイルの作り方やポイント
サムネイルの意味や画像の選び方、サイズの調整が確認できたら、実際にサムネイルを作成してみましょう。
サムネイルの作り方は様々で、**「Photoshop」や「Canva」、「Adobe Spark Post」**などの画像処理ソフトを使ったり、iOSのアプリを使用したりすることができます。自分に合ったツールを選んで作業しましょう。
● 動画サイト用サムネイルの作り方・ポイント
● SNS用サムネイルの作り方・ポイント
動画サイト用サムネイルの作り方・ポイント
写真加工や編集ができるソフトを使い、一目で動画の内容が分かるようなサムネイルを作成します。
例えば、Photoshopを使う場合、まず新規作成でサイズを設定したり、画像をドラッグ&ドロップで配置して調整することができます。「自由変形」機能を使っても調整が可能です。
背景の上にテキストを直接置くと、文字と画像が重なって読みにくい場合があります。その際は、背景をぼかしたり、テキストを太文字にして半透明のエフェクトを加えることで、見やすく魅力的なサムネイルに仕上げることができます。
さらに、二分割のサムネイルを作り、異なるシーンを同時に表示させることで、ユーザーの関心を引きつけることも有効です。
SNS用サムネイルの作り方・ポイント
SNS用サムネイルの作り方も、基本的には動画サイト用と同じです。しかし、SNSごとの推奨サイズには注意が必要です。
例えば、**Twitterの推奨アスペクト比は「16：9」**で、プロフィール画像の推奨サイズは「400×400」、ヘッダー画像の推奨サイズは「1500×500」となっています。（※2021年10月時点）
SNSでは自動でサイズが調整されることが多いため、推奨サイズ以外の場合、写真やテキストが一部切れてしまうことも考えられます。どれだけ魅力的なサムネイルでも、強調したい部分が見えなければ意味がありません。
最適なサムネイルを作成するには、推奨サイズを事前に確認することが非常に重要です。
さらに、プロフィール画像やアイコン画像はアカウントの印象を左右する重要な要素であるため、個性的で覚えやすいデザインを心がけましょう。
サムネイルを作成する際の注意点
サムネイルに異なる内容を表示したとしても、ほとんどの場合違法とまでは言えませんが、YouTubeなどの収益が発生する媒体では、規約違反としてアカウント停止の対象となる場合もあります。
また、ECサイトなどで意図的に内容を詐称したり、誇張したりしたサムネイルは、刑法に抵触する可能性もあります。以下の点には特に注意が必要です。
● 著作権侵害に注意
● 差別表現や誹謗中傷に注意
● 内容の詐称や誇張に注意
著作権侵害に注意
無意識に著作権侵害を犯してしまうことはよくあります。自分では気付かずに他人の著作物を使用しているケースも多く、指摘を受けて初めて気づくことがあります。
たとえ部分的な変更を加えた場合でも、元ネタが分かる程度であれば、著作権侵害を主張される可能性があります。
写り込みにも注意が必要
例えば、駅ナカやオフィス街などの風景写真を公表したつもりが、その写真において著作権侵害を指摘されることもあります。
写真の中のポスターや看板に描かれているキャラクターなど、他人の著作物が付随して写り込んでいることを「写り込み」と言います。こういったケースの場合、著作者に確認を取った上で公表するか、もしくは画像編集ソフトで著作物を消去またはモザイク処理を施してから公表する必要があります。
肖像権にも注意が必要
上述の「写り込み」によって著作物ではなく他人が写り込んだ場合、肖像権侵害が指摘されることもあります。肖像権とは、他人によって撮影された自分の写真などを無断で利用したり、公表したりできないように主張できる権利のことです。
上述の例のように、例えば風景写真を公表したつもりが、その風景写真に写っていた人物から警告を受けるといった事例もあります。この場合は上述同様に、人物を消去またはモザイク処理を施した上で公表します。
差別表現や誹謗中傷に注意
サムネイル作成では、差別的な表現や誹謗中傷にも細心の注意を払いましょう。国籍や性別、容姿に関する表現は、思わぬ問題を引き起こすことがあります。SNSでは、これらの表現が炎上につながり、場合によっては名誉毀損で訴訟となることもあります。
内容の詐称や誇張に注意
動画の内容と大幅に異なるサムネイルや、過度に誇張された表現を使用するのは避けましょう。これらは「サムネ詐欺」や「釣りサムネ」と呼ばれ、再生数を稼ぐ目的で行われることが多いですが、報酬の没収やアカウント停止のリスクが伴います。
また、ECサイトでは誇張したサムネイルやタイトルが、詐欺罪に該当することもあります。
サムネイルを作成できるおすすめツール3選
サムネイル作成に使えるおすすめツールをご紹介します。
● Canva
● Photoshop
● PhotoScape
Canva
Canvaは無料で使用できるデザインプラットフォームで、多くのテンプレートが用意されています。選んだテンプレートに従い、簡単にサムネイルをデザインできるのが特徴です。
Photoshop
Photoshopは、プロフェッショナル向けの高機能画像編集ソフトです。多くの機能を備えており、デザイン会社などでも広く利用されています。
PhotoScape
PhotoScapeは無料で使える画像編集ソフトで、使いやすさが特徴です。基本的な編集機能を備え、初心者にも簡単に使えるツールです。
まとめ
情報があふれる現代において、コンテンツを多くのユーザーに見つけてもらうには、瞬時に目を引くサムネイル画像が欠かせません。作成時には、サムネイルの役割や作り方のポイントを押さえ、各サイトの規定に従って最適なデザインを心がけましょう。
よくある質問
サムネイルを付けるメリットは？
サムネイルを使用すると、商品や動画の全体像が伝わりやすくなるため、クリックされやすくなり、売上や視聴回数の向上が期待できます。
サムネイルを付ける目的は？
サムネイルは、商品の魅力を伝え、購入につなげることや、動画の再生回数を増やし収益を上げることが目的です。それぞれの内容に合ったサムネイル選びが重要です。
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